
カテゴリ: 遺言、相続手続き
公証人連合会のホームページによりますと遺言をする人は、現在は25年前の約2倍となっているそうです。現在の相続は、戦前のように一人で相続できる家督相続ではなく、そのため、相続を巡る争いも非常に多く、その相続人である当事者となる人たちを苦しめるような結果となってています。
遺言をしておけば、協力的でない相続人に対しても他の相続人が印鑑を押してください、と何度も頭を下げることもなく遺言に基づいて、進展していきます。相続人間で話し合いが、まとまらないということがないので、できる限り専門家のアドバイスを受けながら遺言をすることをお勧めいたします。
人が亡くなると、その人の銀行預金の解約、会員券、不動産等、必ず相続人全員の実印を押した書類が必要になります。兄弟姉妹も、全員が信頼できる関係ではありません。何かをしてもらうことは大変な手続きとなります。
お願いしたり、頭をさげたり、お金を包んだり、しかし相手は知らん顔をします。誰も自分の意見が正しいと思っているからです。印鑑を押してくれないとか、最初は押してあげると言っていたけれど、誰かがもっとたくさん相続できるといっていたから印鑑を押したくないとか、相続に関しては、頻繁にあることです。遺言(公正証書)をしておけば、相続人は助かります。
他の相続人の協力を得ることなく、預金を解約したり、不動産を処分できるからです。他の相続人が遺留分(自分にも一定額を相続する権利があると主張する)を請求できることはありますが、その人が主張しなければならないので、こちらから頭を下げる必要がないのです。迷っていないで、早く遺言をしてください。
最近、遺言公正証書を作成される人が増えております。自分の死後、相続財産の分割につき、相続人間で協議がととのわず、兄弟間で争ったりすることを避けたいと思うからだと思います。
遺言があれば、兄弟間で、自分の相続分が少ないと、結果としてもめることがあっても、相続人間で印鑑を押印しあう必要がないため、分割協議がストップすることがありません。
遺言通りに進展していきますので、分割協議の話し合いが憂鬱で、長い間、暗い気持ちでいるよりは、時間が経てば、人間は、不公平であってもその状態に慣れていきます。遺言者本人か、相続人の誰かが、遺言が有れば良い、と思うことにより遺言の話が進んでいきます。
当事務所では、相続人の誰かが、将来相続人間で、もめないように、親に遺言を進める場合が多いような気がします。親は、面倒を見てくれる子供から積極的に遺言をして欲しいと言われれば、その子供の有利になるような遺言をしたいと思うでしょう。
遺言者やその相続人が公平な相続(法定相続)を望むのであれば、又は、話し合いで分割協議が進行するのであれば、現実に遺言する必要がないかも知れません。遺言者からすれば、後を継いでくれる人、面倒をよく見てくれる優しい子どもへ、たくさん残したいと思うのも当然だと思います。
遺言なんて面倒くさい、なるようになると思う人もたくさんいます。遺言をしたい、させよう、と思う人は、遺言者や相続人の中で全員の事情が一番良くわかり、実行できる能力のある人だと思います。
子供のいない人が死亡された場合、不動産とか、預貯金、家財等の財産を遺言で寄付する場合、遺言執行者が不動産や家財を換価し、預貯金を解約して諸経費を差し引いた残現金を○○団体に寄付する旨の遺言であれば、当然、どこの団体も寄付を受け入れてくれると思います。遺言者の希望で賃貸マンション等をそのまま寄付して、その団体所有名義として継続して管理し賃貸料など収益を団体の運営費にあてたりしてくれるのでしょうか。団体によっては、不動産の賃貸経営等をできないところもあるかも知れません。その場合は、一旦寄付を受け入れた後、団体自身で全部売却して現金化してしまうのでしょうか。遺言者が売却して現金化することを望まなくても、寄付されて団体名義になれば、その後は事情によっては売却しなければならない場合も出てくるでしょう。寄付する前に事前にその団体が不動産をどのように活用して、その後どうなるのか具体的に団体と協議する必要があるのかと思います。自宅用の土地家屋等は、寄付を一旦受け入れても売却して現金化するしかないと思いますが、廃棄物もあるし、すべて受け入れて運営、処理は、できないだろうと思いますが、一切の財産の寄付につき遺言執行者が換価せずにそのまま寄付を受け入れてくれた団体のその後の全部の財産の運営、処理まで見届けた人がいましたら、一例として今後の参考にしたいと思います。教えて下さい。
相続人の中に未成年者が含まれている場合、相続財産の分割をする際に法律行為を未成年者がすることができないのでその親権者が代わって法律行為をします。
しかし相続で、父親が死亡したときは、親権者である母親が自分と未成年者のために一人で分割協議をすることになってしまいます。母親が未成年者に不利になるような遺産分割協議はしないと思いますが、法律上は、その未成年者に代わって法律行為をする特別代理人を家庭裁判所に選任申し立てをします。
母親とその未成年者に代わって法律行為をする特別代理人とで遺産分割協議をします。親権者と未成年者、又は未成年者と他の未成年者との間で利益が相反しますので、未成年者が2名の場合は、特別代理人2名の選任が必要となります。
特別代理人は、未成年者の不利益にならないように法律行為をしなければなりません。実際には未成年者の祖父、祖母、伯父さん、叔母さん等が特別代理人の選任候補者となります。遺産分割協議の内容も未成年者にかなり不利益になる(未成年者の相続財産の取得分が法定相続分より少ない遺産分割案の場合)ような内容であると、特別代理人の選任審判も決定しません。
銀行預金でも未成年者名義にしなければならない場合もあります。未成年者の銀行預金の引出、振込についても、親権者が代行するときに銀行から各種証明書を要求されるし、未成年者が5歳くらいであれば、銀行預金等は、全部親権者名義にして管理したいのが実情だと思います。
以下は、平成19年の愛知県司法書士会の研修会、講師、浅井知子会員の「困った遺言」研修用レジュメから引用しています。『民法では、遺言の様式として、自筆証書遺言が認められているものの、専門家が関与しないで作成されたものの中には、自筆、作成期日記載、署名、押印の形式を備えず無効とされるものもあれば、形式を備えてはいるものの、その内容については、明確さを欠くがゆえに、せっかくの最後の意思が実現できなかったり、相続人間の紛争を避けるために遺したにもかかわらず、紛争の火種となってしまうものが少なくない。』『無効な遺言が使用できないのはもちろんだが、不明確な内容の遺言を使用して、被相続人の意思実現をするには、相当な困難がつきまとう。
遺言中の表示によっては、相続人、指定財産等が明確に特定できない場合などは、その程度如何では、疎明資料をもって不動産登記等を実現できる場合もあるが、第三者が客観的に判断できない場合、「遺言の解釈に当たっては、遺言書の文言を形式的に判断するだけではなく、遺言者の真意を探求すべきものであり、遺言書が・・・・」との判例にのっとり、遺言に依拠しようとするならば、裁判によるしかない。さもなくば、遺産分割協議をするしかなく、遺言者の意思が、まっとうされないおそれが大きい。』『最後の意思の実現を確実とするためには、遺言書作成について、専門家を関与させることが肝心であることを、改めて思う。保管の問題や相続人間の疑心を払拭するためには、公正証書がさらに望ましい。念には念を、である。』
遺言証書(公正証書)を作成する際に、事例によっては遺言執行者を選任します。遺言執行に関するすべての行為をすることができるので預貯金の通帳がたくさんあっても、預貯金の解約、振込等を遺言執行者が単独でできます。専門家が遺言執行者に選任されている場合は、相続関係説明図等、相続関係書類を完璧に準備しますので、銀行、郵便局も積極的に処理をしてくれます。一般の方々が出向かれると、遺言執行者が選任されていても書類が不足していたりして結構時間がかかったり、金融機関も事情もわからないし、個人情報の問題もあるし即日で処理されない場合も多いと思います。
ご自分の家族関係や生活状況を考えて遺言をすることが、大切です。次のような場合は、積極的に遺言をしたほうが良いと思います。私は、次のような事例に該当しませんが遺言を完了しています。